「流星キック」創刊号こぼれ話 シーボーズとぼく
『流星キック』創刊号の「思い出の特撮特集」にてシーボーズを描かせて頂きました、雑兵です。今回はそのシーボーズについて、自分の思いを書いてみました。
好きな怪獣、と聞かれるとまず第一に思い浮かべるのはツノでもシッポでもなく、鳴き声でした。
シーボーズという怪獣は、ウルトラマンというシリーズを通してもかなり異質であり、特徴的な怪獣です。たまたま宇宙からやってきてしまった彼(彼女?)は他の怪獣と違って明確な戦意はなく、やることと言えば「オエーン、オエーン」と特徴的な声を上げて泣き出す事とすねることくらい。駄々をこねたりするなど、本当に子供のような怪獣なのでした。
私がこの怪獣を初めて知ったのはまだ幼稚園の時です。当時の私(5さい)はシーボーズに対して、「友達になりたい」と感じたのを覚えています。すねたりつまらなそうにするシーボーズと、一緒に遊んで友達になりたい、という純粋な感情を持っていました。孤独の寂しさは、幼い私もなんとなく分かっていたので。
あれから15年近くが経っても、未だに最も好きな怪獣はシーボーズ。他にも好きな怪獣はいるが、シーボーズだけはずば抜けて好きです。「友達になりたい」というシーボーズを好きな理由は未だ薄れていません。あの頃の僕からすれば、だいぶ汚れて不純になってしまったのかもしれないけれど、僕はまだ、相変わらずシーボーズが好きです。大学生にもなってこんな事を思うのもおかしな話ではありますが、どこかで、一緒に遊べたらいいな、と思っていたりします。
(文・雑兵 twitterアカウント:@EMS_10_zudah_)