平成ガメラ3部作~GWは特撮を見よう!!部員が選ぶオススメ5本~
はじめまして。美術科3年の毛虫と申します。
GWが遂に今年も始まりました。旅行や帰省のために遠出する方、自宅でのんびり過ごす方、それぞれいらっしゃると思います。
中には、行楽地の混雑や高速道路の渋滞を嫌って自宅で過ごすことを選んだ方も多いのではないでしょうか。
そんな「出かけても混むしGWは遠出しないぞ!!!」という方におすすめしたい作品を紹介していきます。
私が紹介するのは、金子修介監督作品の「平成ガメラ」3部作です。
ガメラは、1965年の第一作「大怪獣ガメラ」以降12作品が公開されました。昨年シリーズ50周年を迎え、それを記念し石井克人監督による新作映像が公開され、「ガメラ復活か!?」と世代問わずファンを騒然とさせました。
平成ガメラ3部作は、1995~99年の間に公開された
の3作品です。3作通しての特徴は、ガメラや敵怪獣の生物としての描き方や怪獣が攻めてきた時の人間たちのリアクションのリアルさで、単に怪獣を描くだけでなく、怪獣というものが本当にいるもう1つの世界が出来上がっているというところです。
「超音速の大決闘。」
ガメラ 大怪獣空中決戦
謎の環礁から出現した巨大生物=ガメラと、五島列島・姫神島にて発見された怪鳥=ギャオスとの闘いと、怪獣に翻弄される日本政府を描く平成ガメラシリーズ第一作。
ガメラはよりマッシブに力強く、ギャオスはシャープさと攻撃性の際立ったデザインにアレンジされ、また双方の必殺技である火炎放射(こちらは設定の変更により『プラズマ火球』という名前に)と超音波メスも、さらに迫力のあるものになりました。
登場人物も魅力的な人物ばかりなのですが、その中でもギャオスを追う鳥類学者・長峰真弓(中山忍)の状況に対する毅然とした姿勢とメンタルの強さに個人的に惹かれました。彼女がギャオスのペリットに手を突っ込んだり、男島にギャオスが向かった際に「追わなきゃ」と使命感を燃やしたり、土壇場で手のひらを返した斎藤審議官を叱りつけるシーンは必見です。
そして、今作ではガメラと心を通わせることになる少女・草薙浅黄(藤谷文子)が登場。勾玉を介してのガメラとの交信を通してガメラを理解し、受け入れようと努めます。長峰とは違った強さを持つ、とても好感を持てるキャラクターだと感じました。
「消滅するのは、日本か、レギオンか。」
ガメラ2 レギオン襲来
宇宙から襲来し地球での繁殖を目論むレギオンと、地球の守護者としてそれを許さないガメラとの熾烈な戦いを描く平成ガメラシリーズ第二作。
今作では宇宙からの敵「レギオン」が登場します。全く未知の生態・能力を持つ相手にガメラと人類は苦戦を強いられます。
今作のガメラはより小顔になり、目も小さくシャープで精悍な顔つきとなりました。また前作の東京での戦いの最中突如生えてきてギャオスに不意のダメージを与えたエルボークローが今作では常時突出しているなどより戦闘向きに進化したのが分かります。
怪獣以外にも、自衛隊、特に陸自の描写がより細やかになり迫力を増しており、大きな見どころとなっています。そしてなんと今回は自衛隊の兵器が怪獣に大きなダメージを与えることに成功するのです。
さらに細かいところだと前作のヒロイン、長峰真弓の著書の登場、カメオ出演する「水曜どうでしょう」メンバー、養老孟司氏演じる北海道大学教授のレギオン解剖の際の異様に落ち着き払った態度など、見所は非常に多いです。なるほど
「わたしはガメラを許さない。」
ガメラ3 邪神覚醒
マナの大量消費により大発生したギャオスを殲滅すべく世界で戦い続けるガメラと
ギャオスの変異体イリスとの死闘をもって、ガメラとギャオスとの最後の戦いとする平成ガメラ完結編。
本作に登場するイリスは宿敵ガメラを超える戦闘力を持つべく、かつてガメラがそうして力を得たように人間とつながりを持ち、なおかつその心につけ込んで憎悪を糧として自己進化するという高度な知性と悪意をもつ怪獣として描かれ、非常に新鮮に感じました。
他にもより鋭利に攻撃的に変化したガメラとその情け容赦ない戦闘スタイル、月をバックに飛翔するイリスの美しさ、また躊躇なくギャオスの死体に触る長峰さん、斎藤審議官の再登場、倉田真也のミステリアスなキモさ、絶対に墜ちないF‐15J戦闘機など、三部作を締めくくるにふさわしい豪華な内容だと思います。
私が「GWに見たい作品」として平成ガメラを推す理由は、「特撮の質が高い」「3本で完結するから見やすい」など色々あるのですが、一番大きいのは「見終わった後の考察や妄想が捗る」ということです。3作品を見終わった後、ガメラについてゆっくり考える休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
以上、平成ガメラ3部作の紹介でした。
文・毛虫